体験談・エピソード集

理由の分からない生きづらさを、ずっと抱えていた

仮名:美咲 (30代女性)

小学校3年生の頃、両親は離婚しました。
離婚前から、家の中では大人同士の言い争いが絶えず、
私はいつも、空気を読んで過ごしていたように思います。

母は気分の波が激しく、穏やかな日もあれば、突然怒鳴ったり、感情をぶつけてきたりすることがありました。
父は家にいる時間が少なく、家の中で何が起きているのかを、私が話すことはほとんどありませんでした。

母に叩かれたこともあります。
でも、それ以上に怖かったのは、次に何が起きるのか分からない不安でした。

子どもの頃の私は、
「余計なことを言わなければ大丈夫」
「ちゃんとしていれば、嫌われない」
そう思いながら、自分の気持ちを後回しにしていた気がします。
怖いとか、つらいとか、悲しいとか、そうした感情を感じないようにすることが、自分を守る方法だったのだと思います。

大人になってから、理由の分からない不安や、強い疲れやすさに悩まされるようになりました。
仕事は真面目に取り組んでいるつもりなのに長く続かず、人間関係では、急に息苦しさを感じて距離を取ってしまうことがありました。

体調不良が続き、精神科を受診したこともあります。
眠れないこと、不安が強いことは伝えましたが、子どもの頃の話までは、うまく言葉にできませんでした。
診察を終えても、「結局、自分が弱いだけなのかもしれない」という思いは消えませんでした。

そんな中で、たまたま目にした動画や本をきっかけに、子どもの頃の家庭環境が、
大人になってからの心や体の反応に影響することがある、という話に触れました。

それを知ったとき、すぐに楽になったわけではありません。
でも、これまでの生きづらさが、「性格の問題」や「努力不足」だけではなかったのかもしれない、そう思えたことは、大きな転機でした。

その後、同じような体験をした人の話を読み、安心して過ごせる居場所につながりました。
特別なことをしたわけではありません。
ただ、否定されずに話を聞いてもらえたこと、自分の反応を「おかしくない」と受け止めてもらえたことが、少しずつ、心と体を緩めてくれたように思います。

今は、以前のように
「全部自分が悪い」と思い続けることはなくなりました。
苦しさを感じることはあっても、その理由を考えたり、助けを求めたりする選択肢が、自分の中にあると感じています。

今、悩んでいる人へ

もし今、理由が分からないまま苦しさを抱えていたり、「自分が悪いのかもしれない」と思っている人がいたら、ひとつだけ伝えたいです。

私も長い間、そう思って生きてきました。
でも、あとから知ったことは、自分を責め続けなくてもいい理由が、
ちゃんとあったということでした。

すぐに何かが変わらなくても、ただ、ひとりで抱えなくてもいいかもしれない、そう思える場所や言葉に出会えたら、それだけでも、少し違ってくることがあります。


えんじゅ

親や家族に頼ることができない人たちをサポートする団体の全国ネットワーク
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